「これだけの声援を受けて、こらえきれなかった。最後はここではもうプレーしないんだなと思っていましたね」。ダイエー（現ソフトバンク）のドラフト１位指名を蹴り海外での１年間の浪人を経て９０年に巨人入り。長嶋監督から“くせ者”と呼ばれた野球センスで愛された。５番一塁で志願の先発フル出場も４打数無安打。９回は入団当初の遊撃に入り「練習していないと打てないな。最後は守らせてくださいと言った。チームには迷惑かけた」とテレ笑いだった。１８年の現役生活を終えた後藤孝は８回無死一塁からマレンの代打で中飛。「走者もいたし、負けていたので、自然とつないでいこうという気持ちになれたのがうれしかった」。花束を持った娘の百香ちゃん（８）を一塁ベンチ前で抱きしめ、ひざをついて泣いた。
引退し、２軍バッテリーコーチに就任する西山は５回、代打で登場。古巣・広島のファンから当時の応援歌を贈られた。最後は中学時代にバッテリーを組んだ桑田に花束を渡され「大満足で終われたのでいい野球人生だった」と晴れやかな表情だった。
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