マクロメディアは3日、オーディオ・ビデオをFlashクライアントに配信するストリーミングメディアサーバ「Flash Media Server 2」(以下、FMS)を発表した。これは、従来のFlash Communication Server 1.5の製品名称を変更し、次の3点について機能が強化されている。
1. ストリーミングビデオ機能の進化
・On2,Inc社のVP6コーデックのサポートにより、ビデオ品質が向上
・ログ機能の改良により、W3C準拠のASCII形式のログが詳細なレベルで出力できる
・自動コーデック検知機能により、クライアントが利用可能なコーデックを検知し、自動的に適切なビデオストリームを送出
2. パフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性の向上
・マルチプロセス対応に再設計されたFMSでは、個々のアプリケーション、インスタンス、バーチャルホストが独立したプロセスとして扱われるため、ASPサービスとしても広く利用できる。
・新しく提供されるFMS OriginおよびFMS Edgeを組み合わせることにより、負荷分散とクラスタリングを容易に実現可能。
3. 優れた拡張性
・XML Objects、XML Sockets、XML Streams、File Objectなど、新しく追加されたサーバサイドAPIにより、FMSアプリケーションと既存のサービスインフラストラクチャの連携が容易に
・サーバアクセスコントロール機能により、Pay-per-view、シングルサインオンほか、一般的な既存コンテンツプロテクション機構や認証システムをFMSアプリケーションに容易に接続させることができる
◆必要なシステム条件
・オペレーティングシステム
Windows 2000 Server/2003 Server Standard Edition
Linux Red Hat Enterprise Version 3.0/4.0
※日本語OS上での動作をサポート
・ハードウェア
x86互換CPU(Pentium III 1GHz以上)
512MB以上の空きメモリ(2GB以上推奨)
50MB以上の空きハードディスク容量
1GB Ethernet Card推奨
◆製品ラインナップと価格
ライセンス形態が大幅に変更され、帯域による制限がないのが特徴。
Developper 版(最大接続数:5、帯域:無制限):無償
Professional 版(最大接続数:100、帯域:無制限):546,000円
Origin版(最大接続数:5,000、帯域:無制限):未定
Edge版(最大接続数:無制限、帯域:無制限):未定
Professional版アップグレード(Flash Communication Server 1.0/1.5 Personalから):価格497,700円
Professional版アップグレード(Flash Communication Server 1.0/1.5 Professionalから):241,500円
発売は2005年11月9日を予定。2005年10月28日(金)にメディア配信事業者向けの説明会が開催される。
なお、マクロメディアではすでにPublicベータをダウンロード提供しており、10月3日開催の日食中継「LIVE! ECLIPSE 2005 Annular」(ライブ!ユニバース主催)では、Flash Video配信にFMSのPublicベータが導入されている。実験レポートは後日、「ブロードバンド時代のコミュニケーション術」にて掲載予定。
今回の機能強化・ライセンス形態の大幅な変更により、Flash Video配信の裾野が広がるものと思われる。