とある橋の下
毎日毎日楽器の練習をしている娘がいる。
何の楽器かは分らない。
笛のような、クラリネットのような・・・。
雨の日も、曇りの日も、晴の日も。
毎日毎日、彼女は同じ場所で練習している。
僕自身、帰る時間なんて一定じゃない。
昼の時もあれば、夕方、夜の時だってある。
それでも彼女はそこにいる。
最初見かけた時、僕は楽器に関しては素人でこんなこと言える権利が無いのだけれど、
お世辞にも上手くなかった。むしろ、聞き難い音を彼女は奏でていた。
だけど・・・。
今日も、彼女は綺麗な音色を橋の下で奏でてくれている。